Question
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Answer
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長期継続的な役務取引の場合には,年間契約を締結し,その後1年ごとの自動更新としている場合があるが,この契約書が3条書面の必要記載事項を網羅している場合,1年ごとに契約書を改めて交付する必要はあるか。
契約書中の3条書面に記載すべき必要記載事項に変更がなければ,改めて交付する必要はない。なお,このような場合には,委託代金(下請代金の額)などについて,別途の書面で定めている場合もあると考えられ,別途の書面がある場合は当該書面を代金改定時などに随時交付するとともに,相互の関連付けが明らかになるようにする必要がある。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/shitauke/sitauke_qa.html
情報成果物作成委託において,知的財産権が親事業者又は下請事業者に発生する場合,いずれの場合においても,契約において知的財産権は親事業者に帰属することとしている。この場合も3条書面にその旨記載する必要があるか。
下請事業者に知的財産権が発生する場合,「給付の内容」に含めて当該知的財産権を親事業者に譲渡させるのであれば,給付の内容の一部として3条書面に記載する必要がある。また,その場合には,当該知的財産権の譲渡・許諾に係る対価を下請代金に加える必要がある。
公正取引委員会
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下請事業者に知的財産権が発生する情報成果物作成委託において,当該知的財産権を譲渡させることについては後日契約書で明確化したいと考えているが問題ないか。
委託した給付の内容に含めて知的財産権を譲渡させる場合には,3条書面にその旨記載し,知的財産権の譲渡対価を含んだ下請代金の額を下請事業者との十分な協議の上で設定して発注する必要がある。なお,委託した給付の内容に含めず,後日,当該知的財産権については譲渡対価を支払って譲渡させるという場合には,下請取引とは別個の契約であり,3条書面に知的財産権の譲渡についての記載は要しない。ただし,この場合であっても,当該知的財産権の譲渡対価について,下請事業者に対して一方的に著しく低い対価で取引を要請する場合には,独占禁止法上問題となるおそれがあるので注意する必要がある。
公正取引委員会
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情報成果物作成委託においては,委託内容の全てを3条書面に記載することは困難である場合があるが,その場合どの程度詳しく書かなければならないか。。
委託内容の全てを記載することは困難であったとしても,下請事業者が3条書面を見て「給付の内容」を理解でき,親事業者の指示に即した情報成果物を作成できる程度の情報を記載することが必要である。また,3条書面の「給付の内容」の記載は,親事業者として下請事業者に対し,やり直し等を求める根拠となるものでもあるので,必要な限り明確化することが望ましい。
公正取引委員会
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給付内容を変更した場合には5条書類に記録しなければならないが,情報成果物においては,親事業者と下請事業者が個々に打合せをしながら給付内容を確定していく場合がある。この場合,どの程度の変更から記録しなければならないか。
そのような場合には,個々の作業指示を全て記載する必要はないが,少なくともそれにより下請事業者に下請代金の設定時には想定していないような新たな費用が発生する場合には,その旨記載し保存しなければならない。
公正取引委員会
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下請事業者が,正式な発注に基づかず見込みで作成してしまった場合には,その受領を拒んでも問題ないか。
発注していないものについて受領を拒むことは問題ない。ただし,正式な発注にもかかわらず,3条書面を作成せずに,口頭発注にて下請事業者に一定数量を作成させて受領を拒むことは,書面の交付義務違反にとどまらず,受領拒否にも該当する。
公正取引委員会
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親事業者が,下請事業者からの請求書に基づき下請代金を支払っている場合に,下請事業者からの請求書の提出が遅れた場合も,支払期日までに払う必要があるか。
下請事業者からの請求書の提出のあるなしにかかわらず,受領後60日以内に定めた支払期日までに下請代金を支払う必要がある。なお,親事業者が,社内の手続上,下請事業者からの請求書が必要である場合には,下請事業者が請求額を集計し通知するための十分な期間を確保しておくことが望ましく,下請事業者からの請求書の提出が遅れる場合には,速やかに提出するよう督促して,支払遅延とならないように下請代金を支払う必要がある。
公正取引委員会
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下請事業者から当月納入分を翌月納入分として扱ってほしいと頼まれ,下請代金も翌月納入されたものとみなして支払ったが,支払遅延として問題となるか。
下請事業者から依頼があっても,又は,親事業者と下請事業者との間で合意があったとしても,下請代金は受領日から起算して60日以内に定めた支払期日までに支払わなければならない。
公正取引委員会
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納期前に下請事業者から納品された場合,検査を終了した時点を受領日(支払期日の起算日)としてよいか。
原則として納品された時点が受領日となるが,下請事業者の要請に応じてあらかじめ定めた納期より前に納品を受けた物品について,これを仮受領として受け取った場合は,その時点を受領日とせずに,納期を受領日としても問題ない。また,納期より前に検査を実施した場合,検査を終了した時点を受領日としても問題ないが,検査中に納期が到来した場合には,納期が受領日となる。
公正取引委員会
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運送委託において,下請事業者からの配達報告が届いた時点を「役務を提供した日」とすることは問題ないか。
「役務を提供した日」とは,当該役務が完了した日であり,報告書の届いた日ではないため,当該役務が完了した日が支払期日の起算日となる。
公正取引委員会
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下請代金の支払として手形を交付しているが,下請事業者の希望により一時的に現金で支払うことがよくある。この場合,金利引きと称して手形割引料相当分を差し引くことは問題ないか。
下請事業者との間で支払手段を手形と定めているが,下請事業者の希望により一時的に現金で支払う場合に親事業者の短期調達金利相当額の範囲内であれば,下請代金の額から差し引くことは認められるが,親事業者の短期調達金利相当額を超えて差し引けば,下請代金の減額として本法違反となる。
公正取引委員会
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下請代金の支払方法を手形から現金に変更した場合に注意すべき点はあるか。
下請代金の支払として手形を交付していたのを,一時的にではなく常に現金で支払うという場合には,たとえ親事業者の短期調達金利相当額の範囲内であっても,3条書面に記載した下請代金の額から差し引けば下請代金の減額として本法違反となる。そのため,支払方法を手形から現金に変更する場合には,あらかじめ現金払に見合う単価設定を下請事業者との十分な協議の上で行う必要がある。
公正取引委員会
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親事業者は,毎年上期(4月~9月)及び下期(10月~3月)の2回単価改定を行い,各期首に提供される役務から新単価を適用しているが,下請事業者との単価改定交渉が長引き,各期の半ばくらいの時点で合意することがある。下請事業者とは各期首に提供される役務から新単価を適用するという合意が成立しており,期首から適用しても問題ないか。
新単価が適用できるのは親事業者と下請事業者との協議により単価改定が行われた時点以降に発注する分からである。したがって,この場合は新単価決定に係る合意日よりも前に既に発注した分に新単価を適用するわけであるから,新単価が旧単価より引き下げられているのであれば,下請代金の減額(遡及適用)となる。各期首から新単価を適用するのであれば,各期首に提供される役務が発注される時点までに新単価を決定しておくことが必要となる。新単価適用時期について下請事業者と合意が成立したとしても,下請代金の減額として本法違反となる。
公正取引委員会
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下請事業者の了解を得た上で,下請代金を下請事業者の銀行口座に振り込む際の振込手数料を下請代金の額から差し引いて支払うことは問題ないか。
発注前に当該手数料を下請事業者が負担する旨の書面での合意がある場合には,親事業者が負担した実費の範囲内で当該手数料を差し引いて下請代金を支払うことが認められる。実費の範囲内とは,振込手数料として銀行等に支払っている額の範囲内のことであって,インターネットバンキングやFB(ファームバンキング)等の方法を利用している場合においても同様である。したがって,例えば,親事業者が従来の銀行窓口での振込みに代えてインターネットバンキング等を利用することによって,実際に負担する振込手数料が少なくなっているにもかかわらず,下請代金から従来の銀行窓口での振込手数料相当額を差し引くことは,下請代金の減額として問題となる。親事業者においては,振込方法を従来の銀行窓口からインターネットバンキング等に変更する場合には,下請代金から差し引く金額についても併せて見直しをする必要がある。
公正取引委員会
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手形や電子記録債権などの方法により下請代金を支払う場合に生じる手数料について,下請事業者と合意した上で,下請代金の額から差し引いて支払うことは問題ないか。
例えば手形帳の交付手数料や,電子記録債権の発生記録請求を行った際に金融機関に支払う手数料など,親事業者が下請代金を支払うために必要な費用であって,下請事業者が負担する理由がない費用を,下請代金の額から差し引いて支払うことは,あらかじめ下請事業者と合意したものであっても,下請代金の減額として本法違反となる。
公正取引委員会
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親事業者と下請事業者との間で下請代金の額を減ずることについてあらかじめ合意があったとしても,下請事業者の責めに帰すべき理由なく,下請代金の額を減じている場合は本法違反となるとされているが,例えば,事前に契約書等の書面において,歩引きとして5%を下請代金の額から差し引く旨の合意を記載していても問題になるのか。
本法第4条第1項第3号は,下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに,親事業者が下請事業者の給付に対し支払うべき代金(下請代金)の額を減ずることを禁止しているものであり,親事業者と下請事業者との間で,歩引きとして5%を下請代金の額から減ずることについてあらかじめ合意し契約書等で書面化していても,問題となる。
公正取引委員会
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下請代金の支払に際し端数が生じた場合,当該端数を四捨五入の方法によって処理することは問題ないか。
支払時点において,下請代金の額に円未満の端数があった場合,これを四捨五入又は切捨てのいずれの方法により支払ったとしても,下請代金の額を減ずる行為とはみなされない。切捨ての場合には,例えば,下請代金の額が1008005円80銭だった場合,下請代金の額を1008005円とすることは問題ない。ただし,1008000円とするなど1円以上の単位で切り捨てる場合は,下請代金の減額として本法違反となる。
公正取引委員会
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当社が受入検査をした結果,下請事業者からの納入品が不良品であった場合,いつまでなら返品できるか。
親事業者が受入検査を行い,不良品とされたものについては,受領後速やかに返品する場合に限り認められるため,受領後しばらく放置した後に返品すれば本法違反となる。また,親事業者が受入検査を行い,一旦合格品として取り扱ったもののうち,直ちに発見することができない瑕疵があったものについては,受領後6か月以内(一般消費者に6か月を超える保証期間を定めている場合は,その保証期間に合わせて最長1年)であれば返品することができるが,直ちに発見することができる瑕疵があったものについては,返品すると本法違反となる。
公正取引委員会
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親事業者が,製品を国内にも海外にも販売しており,海外では国内よりも安い販売価格でないと売上げが伸びないため,海外向け製品に用いる部品を国内向け製品に用いる部品よりも低い単価で発注することとしたいが問題ないか。
海外向けに限らず,国内においても,合理的な理由がないにもかかわらず,特定の販売先に対して安く販売するという理由で下請事業者が納入する同一の部品について,他の販売先向けの製品に用いる部品よりも低い単価を定めるのであれば買いたたきに該当するおそれがある。
公正取引委員会
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作業内容を下請事業者に提示し見積りを出してもらい,それを基に単価を決定したいと思うが,見積書が提出された後に,作業内容が当初の予定を大幅に上回ることとなった場合に,見積書を取り直さずに発注することは問題ないか。
下請事業者に見積書を提出させた段階より作業内容が増えたにもかかわらず,当初の見積単価で発注すれば,下請代金の決定に当たり下請事業者と十分な協議が行われたとはいえず,買いたたきに該当するおそれがある。したがって,下請事業者から申出のあるなしにかかわらず,最終的な作業内容を反映した再見積りを取り単価の見直しを行う必要がある。
公正取引委員会
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親事業者が決算対策のため,発注単価を一律に引き下げることは問題ないか。
個別の発注内容の違いを考慮することなく,全ての発注内容について一律に一定比率で引き下げた単価で発注を行うことは,買いたたきに該当するおそれがある。
公正取引委員会
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最低賃金の引上げや原油価格の高騰によりコストが上昇した場合,その上昇分を取引価格に反映しないことは,問題となるのか。
最低賃金の引上げにより労務費等のコストが上昇した場合や,原油価格の高騰に伴いエネルギーコストが上昇した場合,「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」第4の5(2)ウ及びエのような方法で下請代金の額を定めることは,買いたたきに該当するおそれがある。 (参考:下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準(抄))  第4 親事業者の禁止行為   5 買いたたき    (2) 次のような方法で下請代金の額を定めることは,買いたたきに該当するおそれがある。 ウ  労務費,原材料価格,エネルギーコスト等のコストの上昇分の取引価格への反映の必要性について,価格の交渉の場において明示的に協議することなく,従来どおりに取引価格を据え置くこと。 エ  労務費,原材料価格,エネルギーコスト等のコストが上昇したため,下請事業者が取引価格の引上げを求めたにもかかわらず,価格転嫁をしない理由を書面,電子メール等で下請事業者に回答することなく,従来どおりに取引価格を据え置くこと。
公正取引委員会
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労務費,原材料費,エネルギーコストが上昇した場合において,買いたたき以外の行為について下請法上留意すべきことはあるか。
例えば,労務費,原材料費,エネルギーコスト等のコストの上昇によって親事業者自らの資金繰りが厳しくなったことを理由に,あらかじめ定められた支払期日までに下請代金を支払わないことは支払遅延に該当するほか,労務費,原材料費,エネルギーコスト等のコストの上昇によって親事業者自らのコストが増加したことを理由に,あらかじめ定められた下請代金の額を減じて支払うことは減額に該当する。なお,労務費,原材料費,エネルギーコスト等のコストが下落した場合において,下請事業者のコストが減少したことを理由に,あらかじめ定められた下請代金の額を減じて支払うことも減額に該当する。
公正取引委員会
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親事業者である当社(広告会社)が,自社が企画したイベントチケットの販売促進を図ることとし,外注担当者を含めた全社員が販売目標数を定めて販売していたところ,取引先である下請事業者から,当該イベントチケットを当社の外注担当者から買わされたとの苦情を受けた。当社としては,どのような点に留意すべきだったか。
親事業者が下請事業者に対し物品等を販売する場合,外注担当者等の取引に影響を及ぼす者が購入を要請することは,事実上,下請事業者に対し購入を余儀なくさせることとなるので,購入・利用強制として本法上問題となるおそれがある。したがって,今後,外注担当者等を通じて販売しないようにすべきであり,とりわけ外注担当者等に販売目標数(ノルマ)を定めること等は問題を生じやすいので留意する必要がある。
公正取引委員会
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放送局が放送番組の作成を番組制作会社に委託するに当たり,放送局が特定のタレントを起用するよう指示することは,購入・利用強制に該当するか。
放送局が放送番組の作成を番組制作会社に委託するに当たり,放送番組の質を確保するために,有償で放送局の指名するタレントを起用させることは,購入・利用強制には該当しない。また,有償で放送局の指名するタレントを起用させることが発注時には明確にされておらず,この費用を負担しない(又は対価に反映させない)場合には,不当な給付内容の変更(又は買いたたき)に該当するおそれがある。
公正取引委員会
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有償支給原材料の支払代金の決済については,下請代金との相殺によらず,別途支払わせる方法は問題ないか。
別途支払わせる方法でもよいが,有償で支給した原材料の代金を,これを用いて製造した製品の下請代金よりも早く支払わせてはならない。
公正取引委員会
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手形期間が120日(4か月)を超える手形は割引困難な手形であるとのことだが,その理由・経緯は何か。また,どのような措置が採られるか。
公正取引委員会及び中小企業庁は,昭和41年以降,業界の商慣行,親事業者と下請事業者との取引関係,その時の金融情勢等を総合的に勘案して,ほぼ妥当と認められる手形期間を超える長期の手形を割引困難な手形として指導してきた。現在では,支払手形の手形期間を,繊維製品に係る下請取引においては90日(3か月)以内,その他の下請取引については120日(4か月)以内の手形を交付することが商慣習になっており,公正取引委員会及び中小企業庁は,現在,上記手形期間を超えるいわゆる長期手形は,割引困難な手形の交付の禁止に該当するおそれがあるものとして取り扱い,全て上記期間内に改善するよう指導している。
公正取引委員会
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部品の製造を委託している下請事業者に対し,当社が所有する金型の保管を委託しているが,不当な経済上の利益の提供要請に該当するか。
金型の製造を委託した後,親事業者が所有する当該金型を下請事業者に預けて,部品等の製造を委託している場合に,部品等の製造を大量に発注する時期を終えた後,親事業者が下請事業者に対し部品の発注を長期間行わない事態となることがある。このような場合に,親事業者が自己のために,その金型を下請事業者に無償で保管させると,不当な経済上の利益の提供要請に該当するおそれがある。
公正取引委員会
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年末セールの販売活動の手伝いとして,下請事業者から無償で人員を派遣してもらうことを考えている。当該セールでは下請事業者の製品も販売するため,下請事業者にとっても利益があるものと考えるが問題ないか。
下請事業者の金銭・労働力の提供と下請事業者の利益との関係を明確にしないで提供を要請することは,不当な経済上の利益の提供要請に該当するおそれがある。また,下請事業者が,金銭・労働力の提供をすることが直接の利益になるものとして,自由な意思により提供するものでなければ,不当な経済上の利益の提供要請に該当するおそれがある。よって,例えば,下請事業者が本件セールに手伝いとして人員を派遣することでどれだけの利益が見込めるかについて,合理的根拠を示して明らかにし,それが派遣することによって発生する不利益を上回ることを明確に示して,下請事業者の同意を得て人員を派遣させれば,不当な経済上の利益の提供要請には該当しないが,そうでなければ本法違反のおそれがある。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/shitauke/sitauke_qa.html
デザインの作成委託において,当初の発注内容は下請事業者に複数のデザインを提出させ,その中から1つを採用し親事業者に知的財産権を譲渡させるというものであったが,納品後,採用デザインだけではなく不採用デザインの知的財産権も譲渡させることは問題ないか。
当初の発注内容にない不採用デザインの譲渡を下請事業者に無償で要求することは,不当な経済上の利益の提供要請に該当するおそれがある。この場合,親事業者と下請事業者は双方よく話し合いの上,不採用デザインの知的財産権に係る譲渡対価を決定する必要がある。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/shitauke/sitauke_qa.html
金型の納品に当たり,製造の過程で下請事業者が作成した金型の図面を無償で提供させることは不当な経済上の利益の提供要請に該当するか。
金型の製造委託を行った際に,3条書面上の給付の内容に金型の図面が含まれていないにもかかわらず,金型の納入に併せて当該図面を納品するよう要請することは不当な経済上の利益の提供要請に該当するおそれがある。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/shitauke/sitauke_qa.html
金型と併せてその図面を提供させたいという場合には,別途対価を支払って買い取るか,又はあらかじめ発注内容には金型の図面を含むことを明らかにし,当該図面を含んだ対価を下請事業者との十分な協議の上で設定して発注する必要がある。下請事業者との契約に当たり3年の瑕疵担保期間を契約しているが,当社の顧客に対する瑕疵担保期間は1年である。この場合に,受領から3年度にやり直しを要求することは問題ないか。
顧客に対する瑕疵担保期間が1年を超えない場合は,下請事業者の給付に瑕疵がある場合に親事業者が費用を負担せずにやり直しを求めることができるのは受領後1年までである。下請事業者との間でそれ以上に長い瑕疵担保契約を締結することは直ちに問題となるものではないが,契約の定めにかかわらず1年を超えて費用の全額を負担することなくやり直しをさせることは本法違反となる。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/shitauke/sitauke_qa.html
親事業者が発注を取り消す際には,下請事業者が当該給付の目的物を作成するために要した費用を全額負担する必要があるとのことだが,例えば,下請事業者が当該給付の目的物の作成に必要な機器と人員を手配している場合に,下請事業者に解約可能な範囲は解約してもらい,解約できずやむを得ず負担することとなった部分を負担すれば問題ないか。
結果として下請事業者が負担することとなった費用を親事業者が全て負担すれば,不当な給付内容の変更には該当しない。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/shitauke/sitauke_qa.html
公正取引委員会が運用する独占禁止法の目的は何ですか。
独占禁止法の正式名称は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といい、公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることを目的としています。独占禁止法により公正かつ自由な競争が確保される市場においては、事業者は、自らの創意工夫によって、消費者から選ばれる魅力的な商品を供給しようと競争します。ライバルとの競争を勝ち抜いた事業者は、売上げを伸ばして成長し、日本経済の活性化・発展に寄与することになります。また、消費者は、誰もがより良い商品やサービスを求めています。その消費者を顧客として獲得するため、事業者はより安くて優れた商品を提供することで競争を行います。その結果、市場には豊富な商品が提供され、消費者はそれらの中から、より自分の欲しいものを選べるようになります。このように、事業者間の競争によって、消費者の利益が確保されているといえます。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/dk/dk_qa.html
独占禁止法の規制内容を教えてください。
独占禁止法には、1.私的独占の禁止、2.不当な取引制限(カルテル・入札談合)の禁止、3.不公正な取引方法の禁止、4.企業結合の規制などがあります。また、独占禁止法の補完法として、「下請法」(下請代金支払遅延等防止法)があります。下請法は、下請代金の支払遅延や減額など、下請事業者に対する親事業者の不当な取扱いを規制しています。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/dk/dk_qa.html
独占禁止法は、国や地方自治体にも適用されることがあるのですか。
独占禁止法は、事業者又は事業者団体の行為を規制する法律です。したがって、国や地方自治体が事業活動を行っている場合には、独占禁止法上の事業者として規制対象となります。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/dk/dk_qa.html
私的独占とはどのような行為ですか。
私的独占は、事業者が単独であるいは他の事業者と結合するなどして、他の事業者の事業活動を排除したり、支配したりすることにより、市場における競争を実質的に制限することをいい、独占禁止法上禁止されています。一方で、品質の優れた安い商品を供給する企業が、競争によって結果的に市場を独占するようになった場合には、私的独占とはいえず、違法とはなりません。「排除」というのは、例えば、排他的取引や供給拒絶を行って競争者の事業活動の継続を困難にさせたり、新規参入者の事業開始を困難にさせたりすることです。また、「支配」というのは、例えば、株式の取得や役員の派遣といった力関係にものをいわせたり、市場における地位を利用したりして他の企業の事業活動に制約を加えることです。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/dk/dk_qa.html
不当な取引制限に該当する行為とはどのようなものですか。
事業者又は事業者団体の構成事業者が相互に連絡を取り合い、本来、各事業者が自主的に決めるべき商品の価格や販売・生産数量などを共同で取り決め、競争を制限する行為は「カルテル」(不当な取引制限)として禁止されています。これは、紳士協定、口頭の約束など、どんな形で申合せが行われたかにかかわりません。カルテルは、商品の価格を不当につり上げると同時に、非効率な事業者を温存し、経済を停滞させるため、世界各国でも厳しく規制されています。また、国や地方公共団体などの公共工事や物品の公共調達に関する入札の際、入札に参加する事業者たちが事前に相談して、受注事業者や受注金額などを決めてしまう「入札談合」も不当な取引制限のひとつとして禁止されています。事業者間の競争が正しく行われていれば、より安く発注できた可能性があり、入札談合は税金の無駄使いにもつながります。本来、入札は厳正な競争の下に行われるべきものであり、入札談合は公共の利益を損なう非常に悪質な行為です。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/dk/dk_qa.html
事業者団体のどのような行為が禁止されているのですか。
カルテルは、事業者間の協定や申合せに限らず、事業者団体の活動として行われる場合が少なくありません。事業者団体が、団体としての意思決定によって、構成事業者の価格、供給数量などを制限したり、入札談合を行うことは、競争を実質的に制限する行為として、独占禁止法で禁止されています。独占禁止法が規制する事業者団体の禁止行為は、行為の態様(相互拘束や支配・排除)に制限はなく、競争の実質的制限に至らない行為でも規制されます。例えば、団体に加入しなければ事業活動を行うことが困難である場合に、加入を拒否したり、一定地域における店舗数や既存店舗との距離を加入の条件としたり、加入希望者と競合する既存の構成事業者の承認を加入の条件とすることなどは、一定の事業分野における事業者の数を制限するものとして違法となり得ます。また、価格、数量、販売先、広告活動などについて、構成事業者の自由な事業活動を制限する場合も同様です。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/dk/dk_qa.html
不公正な取引方法に該当する行為とはどのようなものですか。
不公正な取引方法は、1.独占禁止法第2条第9項第1号から第5号に定められた行為のほか、2.同項第6号イからヘに定められた類型のいずれかに該当する行為であって、「公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するものをいう。」と規定されています。公正取引委員会が指定するものには、全ての業種に適用される「一般指定」と、特定の業種等に適用される「特殊指定」とがあります。現在、特殊指定として、新聞業に対する指定、特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の指定及び大規模小売業者による納入業者との取引に関する指定があります。不公正な取引方法は、行為の内容から大きく3つのグループに分けることができます。第1は、自由な競争が制限されるおそれがあるような行為で、取引拒絶、差別価格、不当廉売、再販売価格拘束などです。第2は、競争手段そのものが公正とはいえないもので、ぎまん的な方法や不当な利益による顧客誘引などです。第3は、自由な競争の基盤を侵害するおそれがあるような行為で、大企業がその優越した地位を利用して、取引の相手方に無理な要求を押し付ける行為がこれに当たります。これらの中には、再販売価格拘束のように不公正な取引方法であることが行為自体から明白なものもありますが、多くは、行為の形態から直ちに違法となるのではなく、それが不当な場合(公正な競争を阻害するおそれがあるとき)に違法となります。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/dk/dk_qa.html
新規事業者の開業を妨害するため、原材料メーカーに新規事業者への商品供給をしないよう共同で申し入れることは、独占禁止法に違反しますか。
複数の事業者が共同して特定の事業者との取引を拒絶したり、第三者に特定の事業者との取引を拒絶させる行為は、不公正な取引方法(共同の取引拒絶)として禁止されています。複数の事業者が共同して行う取引拒絶は、同業者が結束して特定の事業者を市場から締め出したり、その取引先を奪おうとするものですから、違法性が強く、市場における競争が実質的に制限される場合には、私的独占又は不当な取引制限(カルテル)にも該当するものです。また、メーカーが小売店に販売価格を指示して守らせるなど、独占禁止法上の違反行為の実効を確保するために、事業者が単独で取引拒絶を行うような場合も違法となります。
公正取引委員会
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事業者が競争相手を排除する目的で、競争相手の取引先に対してのみ廉売をして顧客を奪ったり、競争相手と競合する地域でのみ過剰なダンピングを行うことは、独占禁止法に違反しますか。
取引先や販売地域によって、商品又はサービスの対価に不当に著しい差をつけたり、その他の取引条件で不当に差別することは、不公正な取引方法(差別対価・取引条件等の差別取扱い)として禁止されています。「不当に」というのは、価格などに差を設けて積極的に競争者を市場から排除したり、取引の相手方を不利な立場に追いやったりする目的あるいは効果を伴うような場合をいいます。
公正取引委員会
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小売店が、実質的な仕入価格を大幅に下回るような価格で、継続して販売することは、独占禁止法に違反しますか。
独占禁止法は、正当な理由がないのに、商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある行為等を不当廉売として禁止しています。その商品を供給しなければ発生しない費用を下回る価格が「供給に要する費用を著しく下回る対価」となりますが、例えば、実質的な仕入価格(値引き、リベート、現品添付等が行われている場合には、これらを考慮に入れた仕入価格)に仕入経費を加えた額を下回る価格が、「供給に要する費用を著しく下回る対価」に該当する典型的な例となります。ただし、そのような価格での販売であっても、需給関係から販売価格が低落している場合において、市況に応じて低い価格を設定しているときや、キズ物、季節商品の処分のために低い価格を設定しているときなど、「正当な理由」がある場合は違法にはなりません。この問題に関する判断について、公正取引委員会は、不当廉売に関する独占禁止法上の考え方を明らかにしたガイドライン(「不当廉売に関する独占禁止法上の考え方」、「酒類の流通における不当廉売、差別対価等への対応について」、「ガソリン等の流通における不当廉売、差別対価等への対応について」、「家庭用電気製品の流通における不当廉売、差別対価等への対応について」)を作成し、公表しています。
公正取引委員会
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人気商品と売れ残りの不人気商品をセットで販売することは、独占禁止法に違反しますか。
ある商品を販売する際に、他の商品も同時に購入させる抱き合わせ販売は、取引の強制であり、不当に行われる場合には、不公正な取引方法(抱き合わせ販売)として禁止されています。問題となるのは、まず、取引の相手方に対して不当に不利益を与える場合です。また、ある商品(主たる商品)の供給に併せて他の商品(従たる商品)を購入させることは、従たる商品の市場における競争業者の販路(取引の機会)を奪ったり、新規参入を妨げるおそれがある場合にも、同様に不公正な取引方法として禁止されています。例えば、主たる商品の市場における有力なメーカー(一応の目安として、当該市場におけるシェアが20%を超えること。詳しくはQ17を御覧ください。)が、流通業者に対し、当該商品の供給に併せて従たる商品を購入させることは、これによって従たる商品の市場において市場閉鎖効果が生じる場合には、違法となります。なお、「市場閉鎖効果が生じる場合」について、詳しくはQ17を御覧ください。
公正取引委員会
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メーカーが、販売店の販売価格を指定し、守らない場合に取引を停止することは、独占禁止法に違反しますか。また、新聞や書籍などは定価販売されていますが、これは独占禁止法上問題にならないのですか。
小売業者等に自社商品の販売価格を指示し、これを守らせることを再販売価格維持行為といいます。再販売価格維持行為は、競争手段の重要な要素である価格を拘束するため、原則として禁止されています。また、指定した価格で販売させるために、これに従わない小売業者に経済上の不利益を課したり、出荷を停止することも禁じられています。ただし、著作物(書籍、雑誌、新聞、音楽用CD、音楽テープ及びレコード盤の6品目)については、例外的に独占禁止法の適用が除外されています。これを著作物再販適用除外制度といいます。なお、再販売価格維持行為については、米国やEUなどにおいても、競争法の下で厳しく規制されています。米国やEUなどの競争法の概要については、「世界の競争法」を参考にしてください。世界の競争法についてはこちらです。 http://www.jftc.go.jp/kokusai/worldcom/index.html
公正取引委員会
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電子書籍は、著作物再販適用除外制度の対象となりますか。
著作物再販適用除外制度は、昭和28年の独占禁止法改正により導入された制度ですが、制度導入当時の書籍、雑誌、新聞及びレコード盤の定価販売の慣行を追認する趣旨で導入されたものです。そして、その後、音楽用テープ及び音楽用CDについては、レコード盤とその機能・効用が同一であることからレコード盤に準ずるものとして取り扱い、これら6品目に限定して著作物再販適用除外制度の対象とすることとしているところです。また、著作物再販適用除外制度は、独占禁止法の規定上、「物」を対象としています。一方、ネットワークを通じて配信される電子書籍は、「物」ではなく、情報として流通します。したがって、電子書籍は、著作物再販適用除外制度の対象とはなりません。
公正取引委員会
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メーカーが実際の流通価格や販売先などを調査することは、独占禁止法に違反しますか。
メーカーが単に自社の商品を取り扱う流通業者の実際の販売価格、販売先等の調査(「流通調査」)を行うことは、当該メーカーの示した価格で販売しない場合に当該流通業者に対して出荷停止等の経済上の不利益を課す、又は課す旨を通知・示唆する等の流通業者の販売価格に関する制限を伴うものでない限り、通常、問題とはなりません(流通取引慣行ガイドライン第1部第1の3参照)。
公正取引委員会
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メーカーが小売店に競争者の商品の取扱いを禁止することは、独占禁止法に違反しますか。
自己の商品だけを取り扱い、他の競争者との取引を禁止することはそれが競争業者の販路(取引の機会)を奪ったり、新規参入を妨げるおそれがある場合には、不公正な取引方法(排他条件付取引)として禁止されています。例えば、市場における有力なメーカー(一応の目安として、当該市場におけるシェアが20%を超えること。詳しくはQ17を御覧ください。)が、流通業者に対して競争品の取扱いを制限することは、これによって市場閉鎖効果が生じる場合には、違法となります。なお、「市場閉鎖効果が生じる場合」について、詳しくはQ17を御覧ください。
公正取引委員会
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メーカーが販売店の営業地域をテリトリー制によって制限することは、独占禁止法に違反しますか。
取引相手の事業活動を不当に拘束するような条件を付けて取引することは、不公正な取引方法(拘束条件付取引)として禁止されています。例えば、市場における有力なメーカー(一応の目安として、当該市場におけるシェアが20%を超えること。詳しくはQ17を御覧ください。)が、流通業者に対して、一定の地域を割り当て、地域外での販売や地域外顧客からの求めに応じた販売を制限することは、これによって価格維持効果が生じる場合には違法となります。また、メーカーが、流通業者の販売方法の一つである広告・表示の方法について、店頭・チラシ等で表示する価格を制限し、又は価格を明示した広告を行うことを禁止することは、事業者が市場の状況に応じて自己の販売価格を自主的に決定するという事業者の事業活動において最も基本的な事項に関与する行為であるため、Q12で述べた再販売価格維持行為の考え方に準じて、通常、価格競争が阻害されるおそれがあり、原則として不公正な取引方法に該当し、違法となります。なお、「価格維持効果が生じる場合」について、詳しくはQ17を御覧ください。
公正取引委員会
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メーカーが、販売店の営業地域をテリトリー制によって制限することや小売店に競争者の商品の取扱いを禁止することなどを行う場合には、いかなるメーカーも違反とされるのでしょうか。
流通・取引慣行ガイドラインでは、メーカーが流通業者の取扱商品、販売地域、取引先等を制限する行為(非価格制限行為)を行う場合であっても、いかなるメーカーも違反とされるわけではなく、市場における有力なメーカーが流通業者の競争品の取扱いを制限し、それによって市場閉鎖効果が生じる場合や、営業地域について厳格な制限を課し、それによって価格維持効果が生じる場合などには、不公正な取引方法に該当し、違法となるとしています。この場合において、市場における有力なメーカーであるかどうかを判断するための目安として、メーカーの市場シェアが20%を超えることを挙げています。すなわち、市場におけるシェアが20%以下である事業者や新規参入者が競争品の取扱い制限を行う場合には、違法とはならないことを明らかにしており、このように、法の規定が適用されないものとして具体的な数値をもって示される範囲のことを「セーフハーバー」と呼ぶことがあります(流通・取引慣行ガイドライン第1部の3(4)参照)。なお、「市場閉鎖効果が生じる場合」とは、非価格制限行為により、新規参入者や既存の競争者にとって、代替的な取引先を容易に確保することができなくなり、事業活動に要する費用が引き上げられる、新規参入や新商品開発等の意欲が損なわれるといった、新規参入者や既存の競争者が排除される又はこれらの取引機会が減少するような状態をもたらすおそれが生じる場合をいいます。また、「価格維持効果が生じる場合」とは、非価格制限行為により、当該行為の相手方とその競争者間の競争が妨げられ、当該行為の相手方がその意思で価格をある程度自由に左右し、当該商品の価格を維持し又は引き上げることができるような状態をもたらすおそれが生じる場合をいいます(流通・取引慣行ガイドライン第1部3(2)ア及びイ参照)。
公正取引委員会
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EUにも、流通分野における競争法の適用に当たってセーフハーバーという基準があると聞きましたが、EUと我が国との間で、セーフハーバーの基準やそれによる規制の厳しさに違いはあるのでしょうか。
EUでは、再販売価格を拘束する取決めは、カルテルや談合と同じく競争に与える影響が大きいため、いずれも垂直的制限行為の一括適用免除を定めた規則(欧州委員会規則330/2010号)におけるハードコア制限行為に該当し、これらについてEU機能条約第101条第1項の禁止規定に対する適用免除規則は適用されません。また、再販売価格を拘束する取決め以外に、例えば、テリトリー制や取引先制限のような非価格制限行為の中には上記欧州委員会規則におけるハードコア制限行為に該当するものがあり、そのような制限行為にはEU機能条約第101条第1項の禁止規定に対する適用免除規則は適用されません。さらに、ハードコア制限行為に当たらない垂直的制限行為であっても、売り手と買い手のいずれかの市場シェアが30%を超えている場合にも、一括適用免除の対象外とされています。逆に言えば、EUでは、ハードコア制限行為に当たらない垂直的制限行為であって、売り手と買い手の双方の市場シェアが30%以下のものについては、EU機能条約第101条第1項の禁止規定が適用されないものと考えられています。セーフハーバーの範囲は、それぞれの国や地域の経済実態や商取引、競争法の体系や制度によって様々です。特に、EUでは、垂直的制限行為を事業者間の協定等と捉えて規制しているのに対し、我が国では、メーカーの流通業者に対する制限と捉えて不公正な取引方法として規制しているといったような違いがあり、このため、各国におけるセーフハーバーの基準もそれに応じて異なったものとなっています。したがって、セーフハーバーの基準だけを比較して、規制の厳しさを論じることは適当でないと考えられます。
公正取引委員会
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優越的地位の濫用として独占禁止法上問題となるのは、どのような場合でしょうか。
自己の取引上の地位が相手方に優越している一方の当事者が、取引の相手方に対し、その地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは、不公正な取引方法(優越的地位の濫用)として禁止されています。例えば、優越した地位にある事業者が、取引の相手方に対し、正常な商慣習に照らして不当に、事業遂行上必要としない商品等を購入させること、自己のために金銭等を提供させることなどが該当します。 詳しくは、パンフレットをご覧ください。
公正取引委員会
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労務費、原材料費、エネルギーコストが上昇した場合において、その上昇分を取引価格に反映しないことは、独占禁止法上の優越的地位の濫用として問題となりますか。
独占禁止法上、自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商習慣に照らして不当に、取引の相手方に不利益となるように取引の条件を設定すること(第2条第9項第5号ハ)は、優越的地位の濫用として禁止されています。このため、取引上の地位が相手方に優越している事業者が、取引の相手方に対し、一方的に、著しく低い対価での取引を要請する場合には、優越的地位の濫用として問題となるおそれがあり、具体的には、 1 労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のコストの上昇分の取引価格への反映の必要性について、価格の交渉の場において明示的に協議することなく、従来どおりに取引価格を据え置くこと 2 労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のコストが上昇したため、取引の相手方が取引価格の引上げを求めたにもかかわらず、価格転嫁をしない理由を書面、電子メール等で取引の相手方に回答することなく、従来どおりに取引価格を据え置くこと は、優越的地位の濫用として問題となるおそれがあります。この判断に当たっては、対価の決定に当たり取引の相手方と十分な協議が行われたかどうか等の対価の決定方法のほか、他の取引の相手方の対価と比べて差別的であるかどうか、取引の相手方の仕入価格を下回るものであるかどうか、通常の購入価格又は販売価格との乖離(かいり)の状況、取引の対象となる商品又は役務の需給関係等を勘案して総合的に判断することとなります。
公正取引委員会
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どのような企業間の結合を規制しているのですか。
2以上の会社が株式取得・所有、合併等により一定程度又は完全に一体化して事業活動を行うようになると、当事会社間で行われていた競争が行われなくなり、一定の取引分野における競争に何らかの影響が生じることがあります。独占禁止法は、会社の株式取得・所有、合併、共同株式移転、分割、事業の譲受け等及び会社間の役員兼任等の企業結合によって、競争が実質的に制限されることとなるとき等は、こうした行為を禁止しています。また、独占禁止法は、我が国における特定の企業グループへの経済力の過度の集中を防止するために、事業支配力が過度に集中することとなる会社の設立等の制限や、銀行又は保険会社による議決権保有の制限を規定しています。届出制度等企業結合規制に関する詳細についてはこちら
公正取引委員会
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競争事業者間で業務提携を行う場合、独占禁止法上どのような点に気を付ければよいでしょうか。
複数の競争関係にある事業者が生産、販売等に関して業務提携を行う場合、当該事業者間で行われていた競争が行われなくなり、一定の取引分野における競争に何らかの影響が生じることがあります。業務提携により一定の取引分野における競争が実質的に制限される場合には、独占禁止法上問題となりますので御注意ください。
公正取引委員会
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中小事業者にとって独占禁止法等に関する身近な相談窓口としては、どのようなところがあるのでしょうか。
中小事業者からの相談に関しては、公正取引委員会では商工会議所及び商工会の協力を得て、「独占禁止法相談ネットワーク」を構築し、その活用を図っています。全国の商工会議所及び商工会が有する相談窓口において、独占禁止法及び下請法の相談も受け付けており、中小事業者がより身近に相談できる体制を整備しています。現在、独占禁止法相談ネットワークの相談窓口は、全国に約2、300か所設置されています。
公正取引委員会
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公正取引委員会の組織はどのような構成となっていますか。
公正取引委員会は、委員長と4人の委員の計5名から構成される独立行政委員会です。そのメンバーは、法律・経済に関する学識経験の豊富な者のうちから、内閣総理大臣が国会の同意を得て任命します。独立行政委員会として他の機関から指揮監督を受けることなく、独立して職務を行っていることも大きな特色です。事件調査や監視などを行い、公正取引委員会の事務を行っているのが事務総局という組織です。
公正取引委員会
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契約上のトラブルを公正取引委員会で仲介・裁定してもらえますか。
公正取引委員会は、所管する独占禁止法及び下請法について、事業者や事業者団体の活動に関する相談に随時応じていますが、民事上のトラブルを仲介・裁定する機関ではありません。
公正取引委員会
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独占禁止法違反事件の審査活動は、どのように行われるのでしょうか。
独占禁止法違反事件の審査は、1.事件の端緒の収集、2.事件の審査の順に進み、3.事件の審査により違反事実が認められると、行政処分の場合であれば、事前手続を経て排除措置命令・課徴金納付命令が行われ、刑事処分相当の場合であれば、検事総長への告発が行われます。 1 事件の端緒 公正取引委員会が独占禁止法に違反する行為について、審査(違反のおそれのある具体的な事件についての調査活動のことです。)を開始するのは、次のいずれかの方法で情報を入手したときです。 1(1) 一般の方からの報告(申告と呼んでいます。独占禁止法第45条) 1(2) 公正取引委員会の職権探知(公正取引委員会が自ら違反を発見する場合) 1(3) 課徴金減免制度の利用(課徴金減免制度のページはこちら) 1(4) 中小企業庁長官からの調査請求 これらの情報を事件の端緒(違反事件の手掛かり)と呼んでいます。この端緒の中でも特に重要な役割を果たしているのは、申告です。独占禁止法に違反する事実があると思うときは、誰でも、公正取引委員会にその事実を報告し、適当な措置を採るよう求めることができます。これは、違反行為の被害者でも一般消費者でも、違反行為を発見した人であれば誰でもできます。申告は、書面でも口頭でも構いませんが、公正取引委員会が事件の端緒として取り上げ、調査するかどうかの判断を可能にするためには、違反の疑いがある行為の具体的事実ができる限り明らかにされた書面による報告の方が望まれます。また、独占禁止法に違反する事実があるという報告が、書面で行われ、具体的な事実を示しているものである場合には、公正取引委員会は、その報告に係る事件についてどのような措置を採ったか、あるいは措置を採らなかったかを報告者に通知することになっています。 2 審査(事件の調査活動) 事件の端緒に接すると、公正取引委員会は、審査を開始します。審査では、任意の調査も行われますが、強制調査を行うこともあります。 3 意見聴取手続公正取引委員会は、排除措置命令等を行おうとするときは、当該排除措置命令等の名宛人となるべき者に対し、意見聴取を行わなければならないとされています。意見聴取手続は、排除措置命令等の名宛人となるべき者に対し、意見聴取を実施する旨の通知を行うことにより開始され、その通知を受けた者(以下「当事者」といいます。)は、通知があった時から意見聴取が終結するまでの間、公正取引委員会の認定した事実を立証する証拠の閲覧・謄写を求めることができます。意見聴取は、公正取引委員会の指定する職員(以下「意見聴取官」といいます。)が主宰し、意見聴取の最初の期日の冒頭では、事件を担当した審査官等が、予定される排除措置命令の内容等を当事者に対して説明します。当事者は、意見聴取の期日に出頭して、意見を述べ、証拠を提出し、見聴取官の許可を得て審査官等に対して質問を行うことができます。意見聴取官は、期日の終了後、期日における意見陳述等の経過を記載した意見聴取調書を作成するとともに、意見聴取の終結後、その事件の論点を記載した意見聴取報告書を作成し、公正取引委員会に提出します。当事者は、これらの意見聴取調書及び意見聴取報告書の閲覧を求めることができます。公正取引委員会は、その意見聴取調書及び意見聴取報告書の内容を十分に参酌しつつ、排除措置命令等に係る議決を行うこととなります。 4 排除措置命令・課徴金納付命令・刑事告発 公正取引委員会は、審査の結果、公正で自由な競争秩序を回復するために、違反行為者に対して、その違反行為を排除する等の措置を採るよう命じることができます(これを「排除措置命令」といいます。Q28参照)。カルテルなどの悪質な行為については、課徴金(Q30参照)や刑事告発(Q34参照)などの厳しい措置を採っています。
公正取引委員会
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独占禁止法違反被疑事件に関する調査には、行政調査と犯則調査がありますが、どのような違いがありますか。
公正取引委員会は、独占禁止法に違反する行為が行われている疑いがある場合は、関係事業者の事業所内の関係書類や関係者の供述などの証拠を収集する調査権限を与えられています。この調査には、「行政調査」と「犯則調査」とがあります。 行政調査 行政調査は、独占禁止法に違反する事実があると判断した場合に行政処分を行うことを前提として行われる調査です。相手方が調査に応じない場合には刑罰が科せられる間接強制の方法により、営業所などへの立入検査を実施して関係書類の提出を命じ、また、関係者に出頭を命じて事情聴取するなどの調査を行うことができます(独占禁止法第47条)。 犯則調査 犯則調査は、公正取引委員会が刑事告発に相当する事案であると判断した犯則事件(独占禁止法第89条、第90条及び第91条の罪に係る事件)を調査するために行われる調査であり、関係者からの事情聴取、所持品の検査等の調査を行うことができます(独占禁止法第101条)。また、裁判官の発する許可状を得て、直接強制(相手方が調査等を拒む場合に、抵抗を排除して実力行使すること)の方法により、臨検(事件調査のため必要な場所に立ち入り、検査を行うこと)、捜索を行い、必要な物件を差し押えることができます(独占禁止法第102条)。調査の結果、刑事告発が相当と認められたときは、検事総長に告発を行います。
公正取引委員会
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排除措置命令ではどのようなことが命じられるのですか。 法的措置ではない警告や注意とはどのようなものですか。
排除措置命令では、例えば、価格カルテルの場合には、価格引上げ等の決定の破棄とその周知、再発防止のための対策(例えば、独占禁止法遵守のための行動指針の作成、営業担当者に対する研修)などを命じます。また、排除措置命令等の法的措置を採るに足る証拠が得られなかった場合であっても、違反するおそれがある行為があるときは、関係事業者等に対して「警告」を行い、その行為を取りやめること等を指示しています。さらに、違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが、違反につながるおそれがある行為がみられたときには、未然防止を図る観点から「注意」を行っています。
公正取引委員会
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審判は、裁判類似の手続と聞きますが、どのようなものなのでしょうか。
排除措置命令、課徴金納付命令などの行政処分に不服がある事業者は、審判請求をすることができ、この場合、当該行政処分の内容を争う審判手続が開始されます。裁判に似た手続で、違反事実の立証や処分内容の当否に関する主張などが行われます。審判手続を経た後、違反事実の有無等に応じて審決が下されます。なお、審判制度は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(平成25年法律第100号)の施行(平成27年4月1日)により廃止されましたが、同改正法附則第2条の規定により、平成27年3月31日までに排除措置命令及び課徴金納付命令に係る事前通知等が行われた事件については、なお従前の例によることとされています。
公正取引委員会
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課徴金制度の概要を教えてください。
課徴金は、カルテル等の違反行為の未然防止という行政目的を達成するために、行政庁たる公正取引委員会が違反事業者等に対して金銭的不利益を課すという行政上の措置です。課徴金の対象となる違反行為はカルテル入札談合私的独占及び特定の不公正な取引方法(優越的な地位の濫用等)となっています。課徴金額は、例えば、カルテルであれば、その実行期間中の対象商品又は役務の売上額等を基に算出され、事業者の規模ごとに決められた算定率(大企業10%、中小企業4%)を乗ずる等して計算します。また、カルテル・入札談合等の不当な取引制限に対する課徴金算定率については、いくつかの加減算要素が規定されています。
公正取引委員会
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これまでの課徴金納付命令の最高額を教えてください。
1事件の最高額は約398億円(令和元年7月、対象者数8社)であり、1社に対する最高額は約131億円です(令和元年9月30日現在)。
公正取引委員会
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課徴金減免制度の概要を教えてください。
課徴金減免制度とは、事業者が自ら関与したカルテル・入札談合について(※1)、その違反内容を公正取引委員会に自主的に報告した場合、課徴金が減免される制度です。具体的には、減免申請の順位に応じた減免率に、事業者の協力が事件の真相の解明に資する程度に応じた減算率(※2)を加えた減免率が適用されます。事業者自らがその違反内容を報告し、更に資料を提出することにより、カルテル・入札談合の発見を容易化し、事件の真相解明を効率的かつ効果的に行うことにより、競争秩序を早期に回復することを目的としています。※1 課徴金減免制度の対象は、カルテル・入札談合(購入カルテルを含む。)に限られます。※2 このような減算率を適用する制度を調査協力減算制度といいます。課徴金減免制度の詳細についてはこちら⇒ 課徴金減免申請に係る事前相談:電話 03(3581)2100(直通)[ 受付時間 9時30分 ~ 18時15分 ]⇒ 調査協力減算制度に関する問い合わせ先:03-3581-3386(直通)[ 受付時間 9時30分 ~ 18時15分 ]
公正取引委員会
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課徴金減免制度の利用状況を教えてください。
課徴金減免制度が導入された平成18年1月から令和4年3月31日までに、課徴金減免制度を利用した報告件数は1395件となっています。なお、課徴金減免制度が適用された事業者については、課徴金納付命令を行った際に、当委員会のホームページに公表しています(ただし、平成28年5月31日以前に課徴金減免申請を行った事業者については、当該事業者から公表の申出があった場合に、公表しています。)。個別事件の課徴金減免制度の適用状況はこちら
公正取引委員会
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独占禁止法違反事件のうち、どのような場合に刑事告発されるのでしょうか。
公正取引委員会は、独占禁止法に違反する行為が行われている疑いがある場合は、関係事業者の事業所内の関係書類や関係者の供述などの証拠を収集する調査権限を与えられています。この調査には、「行政調査」と「犯則調査」とがあります。 行政調査 行政調査は、独占禁止法に違反する事実があると判断した場合に行政処分を行うことを前提として行われる調査です。相手方が調査に応じない場合には刑罰が科せられる間接強制の方法により、営業所などへの立入検査を実施して関係書類の提出を命じ、また、関係者に出頭を命じて事情聴取するなどの調査を行うことができます(独占禁止法第47条)。 犯則調査 犯則調査は、公正取引委員会が刑事告発に相当する事案であると判断した犯則事件(独占禁止法第89条、第90条及び第91条の罪に係る事件)を調査するために行われる調査であり、関係者からの事情聴取、所持品の検査等の調査を行うことができます(独占禁止法第101条)。また、裁判官の発する許可状を得て、直接強制(相手方が調査等を拒む場合に、抵抗を排除して実力行使すること)の方法により、臨検(事件調査のため必要な場所に立ち入り、検査を行うこと)、捜索を行い、必要な物件を差し押えることができます(独占禁止法第102条)。調査の結果、刑事告発が相当と認められたときは、検事総長に告発を行います。
公正取引委員会
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これまでの告発事件を教えてください。
公正取引委員会は、これまで(令和5年5月31日まで)に、25件の刑事告発を行っております。
公正取引委員会
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これまでの罰金の最高額を教えてください。
独占禁止法違反行為を行った場合、犯罪行為として懲役や罰金などの刑事罰を受ける場合があります。最も厳しい刑罰は、私的独占、不当な取引制限、事業者団体禁止行為に対するもので、違反を行った者(個人)には5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が、法人には5億円以下の罰金が科せられます。これまでの1社に対する最高額は6億4千万円(4罪を併合)となっています(平成27年3月31日現在)。
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/dk/dk_qa.html
入札談合などの独占禁止法違反行為によって発注者が損害を受けた場合、違反行為者に対して損害賠償を請求するために、公正取引委員会から資料を提供してもらうことは可能ですか。
公正取引委員会では、独占禁止法違反行為の被害者による損害賠償請求訴訟支援の観点から、発注者や裁判所に対して資料提供を行っています。詳細は、「独占禁止法違反行為に係る損害賠償請求訴訟に関する資料の提供等について(PDF:167KB)」をご覧ください。また、審判手続が開始された事件については、同事件の「利害関係人」は、審判事件記録の閲覧又は謄写を申請することができます。閲覧又は謄写できる範囲については、「独占禁止法第70条の15の規定に基づく閲覧・謄写に係る審査基準(PDF:103KB)」をご覧ください。(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律〔平成25年法律第100号〕の施行〔平成27年4月1日〕による審判制度の廃止に伴い、「独占禁止法第70条の15の規定に基づく閲覧・謄写に係る審査基準」は廃止されましたが、過去に審判手続が行われた事件又は現在審判手続が行われている事件に関する閲覧・謄写については、改正法施行後も同基準により引き続き行うことができます。)
公正取引委員会
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天皇陛下の国事行為にはどのようなものがありますか。
天皇陛下は、内閣の助言と承認により、国民のために、憲法の定める国事に関する行為を行われます。その中には、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命すること、内閣の指名に基づいて最高裁判所長官を任命すること、国務大臣その他の官吏の任免を認証すること、国会を召集すること、法律や条約を公布すること、栄典を授与すること、大使の信任状を認証すること、外国の大公使を接受することなどが含まれています。
宮内庁
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天皇皇后両陛下のご活動について教えてください。
天皇皇后両陛下の過去のご日程については、天皇皇后両陛下のご日程でお知らせしています。また、ご日程に関わる宮中のご公務、行幸啓など(国内のお出まし)、国際親善についても、それぞれ紹介しています。
宮内庁
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宮殿はどのようなところですか。
大きな屋根と柱・梁で構成される日本古来の建築美をいかした鉄骨鉄筋造りの地上2階、地下1階、延べ面積22949平方メートル(6942坪)の建物で、正殿(せいでん)、豊明殿(ほうめいでん)、連翠(れんすい)、長和殿(ちょうわでん)、千草・千鳥の間(ちぐさ・ちどりのま)など7つの棟から構成されています。 昭和43年10月に完成し、翌年4月から使用を開始しています。
宮内庁
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宮殿はどのような時に使われていますか。
新年祝賀の儀、親任式、信任状捧呈式、勲章親授式、国賓の宮中晩餐、ご会見を始め様々な行事が行われます。
宮内庁
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皇居以外にも皇室に関連する建物などはありますか。
皇居以外にも、赤坂御用地、御用邸、京都御所、桂離宮、修学院離宮、正倉院、陵墓、御料牧場、鴨場などがあります。
宮内庁
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皇居は見学できますか。
係員の案内による皇居の参観は事前の申込のほか、当日受付(先着順)も行っています。土曜日の参観も実施しています。例年、「みどりの月間」にちなんで4月と5月に行われている、皇居吹上御苑内の自然観察会は、事前の応募が必要です。 皇居東御苑は、宮中行事に支障のない限り、無料で公開されています。
宮内庁
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皇居東御苑はどのようなところですか。
皇居東地区にある面積約21万平方メートルの皇居に附属する庭園です。昭和35年1月29日の閣議決定に基づき、皇居造営の一環として、皇居東地区の旧江戸城の本丸・二の丸・三の丸の一部を皇居附属庭園として整備することになりました。昭和36年に着工し、昭和43年9月に完成しました。昭和43年10月1日から宮中行事に支障のない限り一般に公開されています。
宮内庁
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皇居東御苑で見られる花にはどのような花がありますか。
皇居東御苑では、様々な樹木や花々をご覧になることができます。現在咲いている花については、皇居東御苑花だよりに毎週末に掲載しています。
宮内庁
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「はるかのひまわり」はどこに植えられていますか。
皇居東御苑の本丸売店近くに植えられています。毎年7月~8月頃に花を咲かせます。開花時期には、皇居東御苑花だよりでお知らせしています。 「はるかのひまわり」 平成7年1月17日朝に起こった大震災で、加藤はるかさんという神戸の小学6年生が亡くなりました。その夏、少女の家にあった場所に咲いた大きなひまわりを、地域の人々が「はるかのひまわり」と名付け、その種子から各地で花を咲かせてほしいと願ってきました。平成17年1月、阪神淡路大震災の10周年追悼式典のために神戸を訪ねられた天皇皇后両陛下に、遺族代表の小学生がその種子を差し上げました。両陛下は、その種子を御所のお庭にお播きになってお育てになり、取れた種子を宮内庁に下さったものが、このひまわりになりました。
宮内庁
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三の丸尚蔵館はどのようなところですか。
三の丸尚蔵館は、平成4年9月に皇居東御苑内に建設され、翌年11月3日に開館しました。平成元年6月に、皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などの美術品類が国に寄贈されたのを機に、これら美術品を環境の整った施設で大切に保存・管理するとともに、調査・研究を行い、一般にも展示公開することを目的として、建設されました。平成8年10月に故秩父宮妃のご遺贈品、平成13年4月に香淳皇后のご遺品、平成17年10月に故高松宮妃のご遺贈品、平成26年3月には三笠宮家のご寄贈品が加わり、現在約9800点の美術品類を収蔵しています。
宮内庁
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三の丸尚蔵館は今どのような展示をしていますか。
三の丸尚蔵館は、年間定期的にテーマにそった展示を行っています。現在の展示内容と作品は、三の丸尚蔵館で随時お知らせしています。
宮内庁
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皇居の自然観察会はどのようなものですか。
皇居吹上御苑での自然観察会は、皇居内の生物について詳細な生物調査が実施された成果を国民と分かち合いたいという天皇皇后両陛下のお考えを受けて実施されているものです。
宮内庁
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皇居の生物調査の調査結果はどのようなものですか。
西暦2000年(平成12年)における皇居内の生物について正確な記録を残し、その後の経年変化などを把握することが望ましいとの天皇陛下のお気持ちが発端となり、国立科学博物館による詳細な生物調査が実施されました。西暦2000年(平成12年)12月にその調査結果が発表されており、また動物についてはその後も追跡調査が行われ、西暦2006年(平成18年)3月にさらにその後の5年間の追跡調査結果が公表されています。皇居の生物相調査の概要については、国立科学博物館による皇居の生物相調査に掲載しています。
宮内庁
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吹上御苑にはどれくらいの生き物が生息しているのですか。
西暦2000年(平成12年)における皇居内の生物調査で、動物は3638種類、植物は1366種類が確認されました。コゲラやカワセミのほか、ベニイトトンボやヒキノカサなど貴重な動植物も多く生息しています。
宮内庁
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京都御所にはどのような建物がありますか。
京都御所は、その古来の内裏の形態を今日に保存している由緒あるものです。現在のものは安政2年(1855年)の造営で、紫宸殿を始めとして、清涼殿、小御所、御学問所、御常御殿などの御殿や、建礼門、宜秋門、建春門、清所門などの門があります。
宮内庁
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京都御所を見ることはできますか。
事前申込み不要でご自由にご覧いただけます。また、ご希望の方は職員による参観案内にもご参加いただけます。詳細や休み等の情報については宮内庁参観案内をご覧ください。
宮内庁
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京都御所以外でみられる京都の施設はありますか。
京都にある皇室関連施設としては、京都御所以外に、京都仙洞御所・桂離宮・修学院離宮があり、それぞれ参観を行っております。 詳しい申込要領などは、宮内庁参観案内をご覧ください。
宮内庁
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京都御所などへの行き方を教えてください。
京都御所・京都仙洞御所・桂離宮・修学院離宮の行き方については、宮内庁参観案内に掲載しています。画面下部にある「参観施設情報」の「交通アクセスについて」をご覧ください。
宮内庁
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参観について質問がある場合、どこに問い合わせたらいいですか。
参観についてのご質問については、宮内庁参観案内の「ヘルプ」にある「よくあるお問合せ」をご覧ください。それ以外のご質問については、参観係にお問い合わせください。京都御所、離宮参観:075-211-1215 (宮内庁京都事務所参観係)
宮内庁
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宮内庁はどのような仕事をしていますか。
宮内庁は、内閣総理大臣の管理の下にあって、皇室関係の国家事務のほか、日本国憲法第7条に掲げる天皇の行う国事行為のうち外国の大使・公使を接受することと儀式を行うことに係る事務を行い、御璽・国璽を保管しています。
宮内庁
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宮内庁はどのような組織の構成になっていますか。
宮内庁長官の下に、内部部局と地方機関などで構成されています。詳しくは、組織・所掌事務をご覧ください。
宮内庁
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宮内庁の職員の定数はどれくらいですか。
宮内庁の定員は、特別職・一般職を合わせて、令和4年度末で1079人になります。
宮内庁
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宮内庁で職員の採用は行っていますか。
宮内庁では、人事院が行う国家公務員採用試験(一般職大卒程度試験・一般職高卒者試験)の合格者の中から面接により職員を採用しています。その他の採用情報についても、職員採用で随時掲載しています。
宮内庁
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宮内庁の予算はどのようになっていますか。
宮内庁関係の予算を大別すると、皇室費と宮内庁費に分かれています。皇室費の詳細については、予算をご覧ください。宮内庁費は、宮内庁の運営のために必要な人件費・事務費などに充てられます。
宮内庁
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「横断検索」とは何でしょうか?
「横断検索」は,図書寮文庫及び宮内公文書館の所蔵資料をまとめて検索できる機能です。
宮内庁
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書陵部が所蔵している全ての資料がデジタル画像になっていますか?
当部では,順次所蔵資料のデジタル化を進めておりますが,デジタル画像があるのは所蔵資料の一部です。なお,画像があるものを探す場合は,詳細検索の「画像がある資料だけを検索する」にチェックを入れ,検索ボタンを押すと一覧が表示されます。
宮内庁
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人名がヒットしない。
図書寮文庫の目録は当部の『和漢図書分類目録』上下・増加(昭和27年,同43年刊行)に則り,原則本名で通称等は〔 〕書きとしております。例えば新井白石は,“新井君美〔白石〕”と表記しています。号や通称はいくつもある場合がありますが,『国書人名辞典』などを参考にして作成しました。 宮内公文書館の目録は文書等に記載されている表記に従い作成しています。旧字体等で記載されている場合や,お探しの人名が資料名に含まれていないこともありますので,入力する検索語を変えてみてください。例えば,関係しそうな語句や資料の作成部局,業務の名称などに含まれていると思われる語句を入力してください。
宮内庁
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『和漢図書分類目録』等に掲載されている資料を検索しても出てこない。
『和漢図書分類目録』では,書名は正字で表記していますが,本システムでは常用字体で表記しています。常用字体で検索しても該当するものがなかった場合は,書名の一部の語句を入力して検索してみてください。 また,お探しの資料が宮内公文書館に移管されている場合がありますので,横断検索もしくは宮内公文書館のページでも検索してみてください。
宮内庁
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60歳以降の働き方についての希望は、どのように伝えることができますか?
令和5年度から、定年年齢が段階的に引き上がり65歳となるとともに、新たに管理監督職勤務上限年齢制、61歳年度からの俸給月額の7割措置、定年前再任用短時間勤務制が設けられるなど、60歳を境に適用される制度が大きく変わります。このため、任命権者には、原則として59歳となる年度の職員に対し、60 歳以降に適用される任用、給与、退職手当の「制度」に係る情報を提供することが義務づけられるとともに、 60歳の誕生日以後の勤務の意思(又は退職の意思)を確認する努力義務が課せられることとなりました。 職員の方には、人事面談等の機会のほか、59歳年度に行われる意思確認の際に、ご自身の60歳以降の働き方に対する希望等を伝えていただくことが考えられます。必ずしもご自身の希望通りになるとは限りませんが、早い段階から、ご自身の60歳以降の生涯設計やライフプラン、キャリアに対する考え方について考えを深めていただき、日頃より職場とコミュニケーションをとっていただくことが今まで以上に重要となり ます。
人事院
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管理監督職勤務上限年齢に達した場合、いつまでにどのようなポストに降任されるのでしょうか?
令和5年4月から管理監督職勤務上限年齢制(いわゆる「役職定年制」)が新たに導入されました。こ れにより、原則として、61歳となる年度の4月1日を超えて管理監督職※として勤務することはできません。このため、管理監督職の方が60歳に達した場合には、異動期間中(60歳の誕生日から同日以後最初の4月 1日まで)に、管理監督職以外の官職に降任又は降給を伴う転任をされることが基本となります。 管理監督職勤務上限年齢制による降任先は、任命権者において、国公法に定める諸原則の他、下記の1~ 3の基準を遵守した上で、決定することになります。降任先は、人事評価や職務経験等に基づく能力や適性を有する官職で、非管理監督職の中でできる限り上位の職制上の段階に属する官職となることが基本となりますが、人事計画その他の事情を考慮した上で決定されますので、降任先の官職が不足している場合などにおいては必ずしも最上位の職制上の段階に属する官職とはならないこともあり得ます。 ※指定職、俸給の特別調整額支給官職などです。
人事院
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