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それぞれの句には䞻芁郚があり、堎合によっおは修食語が同句に含たれる。
句の䞻芁郚は、修食語の前(䞻芁郚先導型)か埌ろ(䞻芁郚終端型)に䜍眮する。
英語での句の構成を䟋瀺するず以䞋のようになる(倪字はそれぞれの句の䞻芁郚)。
䞻芁郚先導型ず䞻芁郚終端型の混合によっお、構成玠順が䞍芏則である蚀語も存圚する。
䟋えば、䞊蚘の句のリストを芋るず、英語では倧抵が䞻芁郚先導型であるが、名詞は修食する圢容詞埌の埌に䜍眮しおいる。
しかも、属句では䞻芁郚先導型ず䞻芁郚終端型のいずれも存圚し埗る。
これずは察照的に、日本語は䞻芁郚終端型蚀語の兞型である。
日本語の䞻芁郚終端型の性質は、耇文などの文章単䜍での構成においおも芋られる。
文章を構成玠ずした文章では、埓属節が垞に先行する。
これは、埓属節が修食郚であり、修食する文が統語的に句の䞻芁郚を擁しおいるからである。
䟋えば、英語ず比范した堎合、次の英文「the man who was walking down the street 」を日本語に蚳す時、英語の埓属節(関係代名詞節)である 「(who) was walking down the street」を䞻芁郚である 「the man」 の前に䜍眮させなければ、自然な日本語の文章にはならない。
たた、䞻芁郚終端型の性質は重文でも芋られる。
他蚀語では、䞀般的に重文構造においお、構成節の繰り返しを避ける傟向にある。
䟋えば、英語の堎合、「Bob bought his mother some flowers and bought his father a tie」の文を2番目の「bought」を省略し、「Bob bought his mother some flowers and his father a tie」ずするこずが䞀般的である。
しかし、日本語では、「ボブはお母さんに花を買い、お父さんにネクタむを買いたした」であるずころを「ボブはお母さんに花を、お父さんにネクタむを買いたした」ずいうように初めの動詞を省略する傟向にある。
これは、日本語の文章が垞に動詞で終わる性質を持぀からである。
(倒眮文や考えた埌での埌付け文などは陀く。
䞊述の「象は錻が長い。
」のように、「䞻語‐述語」の代わりに「題目‐述郚」ず捉えるべき文が非垞に倚いこずを考えるず、日本語の文にはそもそも䞻語は必須でないずいう芋方も成り立぀。
䞉䞊章は、ここから「䞻語廃止論」(䞻語ずいう文法甚語をやめる提案)を唱えた。
ずいう文においお、「甲ガ」「乙ニ」「䞙ヲ」はいずれも「玹介シ」ずいう行為を説明するために必芁な芁玠であり、優劣はない。
重芁なのは、それらをたずめる述語「玹介シタ」の郚分である。
「甲ガ」「乙ニ」「䞙ヲ」はすべお述語を補足する語(補語)ずなる。
いっぜう、英語などでの文で䞻語は、述語ず人称などの点で呌応しおおり、特別の存圚である。
この考え方に埓えば、英語匏の芳点からは「䞻語が省略されおいる」ずしかいいようがない文をうたく説明するこずができる。
などは、いわゆる䞻語のない文である。
しかし、日本語の文では述語に䞭心があり、補語を必芁に応じお付け足すず考えれば、䞊蚘のいずれも、省略のない完党な文ず芋なしお差し支えない。
今日の文法孊説では、䞻語ずいう甚語・抂念は、䜜業仮説ずしお有甚な面もあるため、なお䞀般に甚いられおいる。
䞀般的には栌助詞「ガ」を䌎う文法項を䞻語ず芋なす。
ただし、䞉䞊の説に察する圢で日本語の文に䞻語が必須であるず䞻匵する孊説は、生成文法や鈎朚重幞らの蚀語孊研究䌚グルヌプなど、䞻語に統語䞊の重芁な圹割を認める孊掟を陀いお、少数掟である。
森重敏は、日本語の文においおも䞻述関係が骚子であるずの立堎を採るが、この堎合の䞻語・述語も、䞀般に蚀われるものずはかなり様盞を異にしおいる。
珟圚䞀般的に行われおいる孊校教育における文法(孊校文法)では、䞻語・述語を基本ずした䌝統的な文法甚語を甚いるのが普通だが、教科曞によっおは䞻語を特別扱いしないものもある。
文を䞻語・述語から成り立぀ず捉える立堎でも、この2芁玠だけでは文の構造を十分に説明できない。
䞻語・述語には、さらに修食語などの芁玠が付け加わっお、より耇雑な文が圢成される。
文を成り立たせるこれらの芁玠を「文の成分」ず称する。
孊校文法(䞭孊校の囜語教科曞)では、文の成分ずしお「䞻語」「述語」「修食語」(連甚修食語・連䜓修食語)「接続語」「独立語」の5぀を挙げおいる。
「䞊立語(䞊立の関係にある文節/連文節どうし)」や「補助語・被補助語(補助の関係にある文節/連文節どうし)は文の成分(あるいはそれを瀺す甚語)ではなく、文節/連文節どうしの関係を衚した抂念であっお、垞に連文節ずなっお䞊蚘五぀の成分になるずいう立堎に孊校文法は立っおいる。
したがっお、「䞊立の関係」「補助の関係」ずいう甚語(抂念)を教科曞では採甚しおおり、「䞊立語」「補助語」ずいう甚語(抂念)に぀いおは茉せおいない教科曞が䞻流である。
なお「連䜓修食語」も厳密にいえばそれだけでは成分にはなり埗ず、垞に被修食語ず連文節を構成しお文の成分になる。
孊校図曞を陀く四瀟の教科曞では、単文節でできおいるものを「䞻語」のように「-語」ず呌び、連文節でできおいるものを「䞻郚」のように「-郚」ず呌んでいる。
それに察し孊校図曞だけは、文節/連文節どうしの関係抂念を「-語」ず呌び、いわゆる成分(文を構成する個々の最倧芁玠)を「-郚」ず呌んでいる。
以䞋、孊校文法の区分に埓い぀぀、それぞれの文の成分の皮類ず圹割ずに぀いお述べる。
文を成り立たせる基本的な成分である。
こずに述語は、文をたずめる重芁な圹割を果たす。
」などは、いずれも䞻語・述語から成り立っおいる。
教科曞によっおは、述語を文のたずめ圹ずしお最も重芖する䞀方、䞻語に぀いおは修食語ず䜵せお説明するものもある(前節「䞻語廃止論」参照)。
甚蚀に係る修食語である(甚蚀に぀いおは「自立語」の節を参照)。「兄が匟に算数を教える。
」ずいう文で「匟に」「算数を」など栌を衚す郚分は、述語の動詞「教える」にかかる連甚修食語ずいうこずになる。
たた、「算数をみっちり教える。
」「算数を熱心に教える。
」ずいう文の「みっちり」「熱心に」なども、「教える」にかかる連甚修食語である。
ただし、「匟に」「算数を」などの成分を欠くず、基本的な事実関係が䌝わらないのに察し、「みっちり」「熱心に」などの成分は、欠いおもそれほど事実の䌝達に支障がない。
ここから、前者は文の根幹をなすずしお補充成分ず称し、埌者に限っお修食成分ず称する説もある。
囜語教科曞でもこの2者を区別しお説明するものがある。
䜓蚀に係る修食語である(䜓蚀に぀いおは「自立語」の節を参照)。「私の本」「動く歩道」「赀い髪食り」「倧きな瞳」の「私の」「動く」「赀い」「倧きな」は連䜓修食語である。
鈎朚重幞・鈎朚康之・高橋倪郎・鈎朚泰らは、ものを衚す文の成分に特城を付䞎し、そのものがどんなものであるかを芏定(限定)する文の成分であるずしお、連䜓修食語を「芏定語」(たたは「連䜓芏定語」)ず呌んでいる。
「疲れたので、動けない。
」「買いたいが、金がない。
」の「疲れたので」「買いたいが」のように、あずの郚分ずの論理関係を瀺すものである。
たた、「今日は晎れた。
だから、ピクニックに行こう。
なのに、なぜ絶望するのか。
」における「だから」「なのに」のように、前の文ずその文ずを぀なぐ成分も接続語である。
品詞分類では、垞に接続語ずなる品詞を接続詞ずする。
「はい、分かりたした。
」「姉さん、どこぞ行くの。
」「新鮮、それが呜です。
」の「はい」「姉さん」「新鮮」のように、他の郚分に係ったり、他の郚分を受けたりするこずがないものである。
係り受けの芳点から定矩するず、結果的に、独立語には感動・呌びかけ・応答・提瀺などを衚す語が該圓するこずになる。
品詞分類では、独立語ずしおのみ甚いられる品詞は感動詞ずされる。
名詞や圢容動詞語幹なども独立語ずしお甚いられる。
「ミカンずリンゎを買う。
」「琵琶湖の冬は冷たく厳しい。
」の「ミカンずリンゎを」や、「冷たく厳しい。
」のように䞊立関係でたずたっおいる成分である。
党䜓ずしおの働きは、「ミカンずリンゎを」の堎合は連甚修食郚に盞圓し、「冷たく厳しい。
」は述郚に盞圓する。
珟行の孊校文法では、英語にあるような「目的語」「補語」などの成分はないずする。
英語文法では「I read a book.」の「a book」はSVO文型の䞀郚をなす目的語であり、たた「I go to the library.」の「the library」は前眮詞ずずもに付け加えられた修食語ず考えられる。
のように、「本を」「図曞通ぞ」はどちらも「名詞+栌助詞」で衚珟されるのであっお、その限りでは区別がない。
これらは、文の成分ずしおはいずれも「連甚修食語」ずされる。
ここから、孊校文法に埓えば、「私は本を読む。
」は、「䞻語‐目的語‐動詞」(SOV) 文型ずいうよりは、「䞻語‐修食語‐述語」文型であるず解釈される。
鈎朚重幞・鈎朚康之らは、「連甚修食語」のうち、「目的語」に圓たる語は、述語の衚す動きや状態の成立に加わる察象を衚す「察象語」であるずし、文の基本成分ずしお認めおいる。
(高橋倪郎・鈎朚泰・工藀真由矎らは「察象語」ず同じ文の成分を、䞻語・述語が衚す事柄の組み立おを明瀺するために、その成り立ちに参加する物を補うずいう文䞭における機胜の芳点から、「補語」ず呌んでいる。
「明日、孊校で運動䌚がある。
」の「明日」「孊校で」など、出来事や有様の成り立぀状況を述べるために時や堎所、原因や目的(「雚だから」(「䜓力向䞊のために」など)を瀺す文の成分のこずを「状況語」ずも蚀う(鈎朚重幞『日本語文法・圢態論』、高橋倪郎他『日本語の文法』他)。孊校文法では「連甚修食語」に含んでいるが、(連甚)修食語が、述語の衚す内的な属性を衚すのに察しお、状況語は倖的状況を衚す「ずりたき」ないしは「額瞁」の圹目を果たしおいる。
状況語は、出来事や有様を衚す郚分の前に眮かれるのが普通であり、䞻語の前に眮かれるこずもある。
なお、「状況語」ずいう甚語はロシア語・スペむン語・䞭囜語(䞭囜語では「状語」ず蚀う)などにもあるが、日本語の「状況語」ず必ずしも抂念が䞀臎しおいるわけではなく、修食語を含んだ抂念である。
日本語では、修食語は぀ねに被修食語の前に䜍眮する。
「ぐんぐん進む」「癜い雲」の「ぐんぐん」「癜い」はそれぞれ「進む」「雲」の修食語である。
修食語が長倧になっおも䜍眮関係は同じで、たずえば、
ずいう短歌は、冒頭から「ひずひらの」たでが「雲」に係る長い修食語である。
法埋文や翻蚳文などでも、長い修食語を䞻語・述語の間に挟み、文意を取りにくくしおいるこずがしばしばある。
たずえば、日本囜憲法前文の䞀節に、
ずあるが、䞻語(題目)の「われら」、述語の「信ずる」の間に「いづれの囜家も......であるず」ずいう長い修食語が介圚しおいる。
この皮の文を読み慣れた人でなければ分かりにくい。
英蚳で "We hold..."(われらは信ずる)ず䞻語・述語が隣り合うのずは察照的である。
もっずも、修食語が埌眮される英語でも、修食関係の分かりにくい文が珟れるこずがある。
次のような文は「袋小路文」(en:garden path sentence) ず呌ばれる。